人類の叡智_大事なことを伝えるブログ

人類の叡智の結晶を分かりやすくかみ砕き、色々と大事なことを伝えていきます。訳文調で読みにくい部分もありますが、そこはご容赦ください。

『シーガーロヴァーダスッタ』から読み解く、仏教における道徳的行動

『シーガーロヴァーダスッタ』はパーリ語の経典で、その中にはブッダが若者シーガーラに対して説いた教えが詳細に記述されています。シーガーラは父親から指導を受け、毎日六方への礼拝を行っていました。ブッダはシーガーラの礼拝の仕方を見て、仏教の視点から新たな解釈を提示しました。これは人間関係と社会倫理についての教えとなっており、具体的な行動指針を提供しています。今回はこの『シーガーロヴァーダスッタ』を通じて、仏教における道徳的行動について深く探求していきましょう。

まず、ブッダは「六方」というシーガーラの宗教的な実践を、「人間関係の六方」として再定義します。これらの六方とは上下左右と中心、つまり親、教師、配偶者、友人、働き手、そして自分自身を指しています。

  1. 親への責任:親を尊敬し、彼らの願いを尊重し、家族の名誉を維持し、遺産を継承し、彼らの死後、仏教の儀式を行うことをブッダは求めています。
  2. 教師への責任:教師を尊重し、聞くべき時には耳を傾け、敬意を持って彼らに仕え、教えを受け入れるよう努めることが求められます。
  3. 配偶者と子供への責任:配偶者を尊敬し、誠実に行動し、家族を守り、贈り物を与え、家庭の調和を保つことが求められます。
  4. 友人と同僚への責任:友人や同僚に対しては、一緒に時を過ごし、信頼できる支えとなり、難しい時に援助を提供し、秘密を保ち、財産を守ることが求められます。
  5. 働き手への責任:働き手に対しては、適切な報酬を提供し、労働条件を改善し、時には特別な恩恵を与え、生活の質を向上させるための努力をすることが求められます。
  6. 自己への責任:自分自身に対しては、悪から遠ざかり、善行を実践し、心の調和を保つことが求められます。

以上のように、『シーガーロヴァーダスッタ』は人間関係と社会倫理についての詳細なガイドラインを提供しています。私たちはこれらの教えを通じて、どのように他者と接し、社会的な責任を果たし、自分自身の精神的な成長を促進するかについて学ぶことができます。

次回は、「『ヴェセーニーサッタ』の解説:ブッダ智慧とは」について探求していきます。その中で、ブッダが示した智慧の本質と、それが私たちの日常生活にどのように適用できるかについて説明します。お楽しみに。