人類の叡智_大事なことを伝えるブログ

人類の叡智の結晶を分かりやすくかみ砕き、色々と大事なことを伝えていきます。訳文調で読みにくい部分もありますが、そこはご容赦ください。

苦行の時代:ブッダが追求した極度の修行

前回までの記事では、ゴータマ・ブッダが苦しみの原因と解脱の道を理解するために「四門を超えて」体験した老い、病み、死、そして出家人との出会いについて見てきました。それらの出会いに触発され、シッダールタは出家し、苦しみの解脱を求める修行の道を歩むことを決意しました。今回は、彼が追求した極度の修行、その結果、そしてその意義について深く探っていきましょう。

出家後のシッダールタは、数多くの教師のもとで瞑想や哲学を学びましたが、それでも心の平安や真の解脱は見つけられませんでした。そこで彼は、自己の極度の抑制と自己否定を含む厳しい苦行へと向かいました。

彼の苦行は、食事を極限まで減らし(一日に一粒の種子や一滴の水しか摂らないこともありました)、肉体を過酷な環境にさらすことで、肉体と心を完全に制御しようとする試みでした。シッダールタは、この厳しい修行を通じて苦しみからの解脱を求め、自己の欲望と情緒を完全に抑え込もうとしました。

しかし、6年間の苦行の後、シッダールタはその方法が真の解脱にはつながらないことを悟りました。彼は体力の限界まで追い詰められ、死に瀕しましたが、偶然通りかかった少女スジャータから乳粥を授けられ、体力を回復しました。

この体験は、シッダールタに「中道」の重要性を教えました。つまり、極度の苦行と放縦な享楽のどちらも避け、適度な修行を行うことが真の解脱につながるという考え方です。この「中道」の原則は、後のブッダの教えの中心的な部分となりました。

次回の記事では、「菩提樹の下で:ブッダの悟り」について、シッダールタがついに悟りを開き、ブッダとなるまでの道のりについて詳しく見ていきましょう。